- 店主 19th Uramoemon Futami
生きることに疲れてしまった人へ
これは我が息子の話である。
とある芸大で演劇を学んでいたのだが、昨年あたりから思うようにならない自分に苦しみをを感じ始め、今年度に入り次第に不登校になり、マンションの自室に閉じこもりがちになり、ついにはうつ状態になり通院を余儀なくされてしまった息子。
その話を聞いたときに、好きで選んだ道なのに、なぜ?
単純にそういう疑問が湧き上がってきた。
好きなことをしなさい!とは口癖のように彼に言っていた私だが、どうもそれだけでは足りないようだ。
彼に原因は何かと聞いてみた。
息子曰く、演劇に関して自分なりに努力を重ねてきたが、その努力の割には評価されなかったことが辛かったそうだ。
評価されない自分を責める日が続いたことで、いつのまにか自分はダメな人間だ!に変化していく。
心理学者アドラーは言う。
「悩みのほとんどは人間関係に由来する」と。

息子の場合はどうだろうか?
一見、彼自身の問題であるように見える。全てが自己完結してるのではないのか?そう考えてもおかしくはない。
しかし、先生に評価されないと言うことは、他人の評価に心奪われており、それが自己評価の低さにも繋がっていると考えるべきだ。
つまり、他者との関係における悩みなのだ。
世の中は他人からの評価をどうしても気にしてしまうようになっている。
社会に出れば、ますますその傾向は強くなる。
息子にしてみれば、評価されないと言うのは単位を取られないと言うことに直結してしまう。
本当は好きなことを純粋に楽しめたら、どんなにか楽だろうにと考えてしまうが、世の中評価なしに楽しめることはそうないものなのだ。
かと言って、そればかり気にしていたのでは、本来楽しいはずのことができなくなってしまう。
この問題をどう解決するのか?